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場所打ち拡底杭の引抜き抵抗力の経済的設計手法を開発
2021年07月20日
佐藤工業は、雄正工業㈱・トーワドリル工業㈱と共同で、場所打ち拡底杭の拡底部の引抜き抵抗力を考慮した設計方法を開発し、2021年5月に一般財団法人 ベターリビングの一般評定を取得しました。
場所打ち拡底杭工法は、拡底部の引抜き抵抗力が大きいことは知られていましたが、それを評価する設計式が確定されていなかったため、拡底部がないものとして引抜き抵抗力を算定することが一般的でした。このため、大きな引抜き力が作用する杭は、軸部周面の摩擦力により算定するため、軸径を大きくするか、根入れ長さを長く設計する必要がありました。強固な地盤である支持地盤を深く掘削することは、施工性を考えても好ましいものではありません。
そこで、場所打ち杭の施工会社2社と共同で、実大杭の引抜き試験を実施することにより設計評価式を『S-HND SK-NEO工法』(エスハンド エスケーネオ工法)として開発しました。これにより拡底形状に応じて、今まで考慮できなかった拡底杭の引抜き耐力を算入することができます。くさび形状の拡底部は、軸部形状に比べ大きな引抜き抵抗力を考慮することができるため、軸径を細くしたり、根入長さを短くしたりすることが可能となります。これは、コンクリート数量および掘削土量の削減や、堅い支持地盤での施工性を大きく向上し、経済的な設計が可能となります。
今後は、3社による「S-HND SK-NEO工法会」を通じて実績を重ね、工法としての精度をさらに上げていきます。