データサイエンス
さまざまな視点からの分析で
データ同士の関係性を見つけ
新たな価値を創造する。
データサイエンス
T.K.
2021年入社
ICT推進部
データサイエンス学部データサイエンス学科卒
統計学や情報工学の知識で
建設業界が抱える課題を解決したい。
アートサイエンスや画像処理に興味があり、データサイエンス学部が新設されたばかりの大学に一期生として入学しました。大学では、統計学や情報工学の知識を使ってデータから新たな価値を見出していく手法を学び、それがとてもおもしろくて「データサイエンスを生かして活躍できる仕事に就きたい」と思うようになりました。教授に相談し、薦めていただいたのが佐藤工業です。建設業界では、現場で働く職人さんの高齢化が進んでいて、彼らが感覚的にやっている匠の技をどうやって若い人たちに引き継いでいくのか、技術の継承が課題になっています。例えばそこに機械学習やAI の技術を持ち込んで課題を解決していく。そんな仕事をイメージできたこともあって入社を決めました。入社後はICT推進部に所属。1年目は土木学会で発表された論文のトレンド解析やトンネルの覆工コンクリート画像を用いた機械学習によるひび割れ検出といった、データ分析の演習からスタートし、2年目から本格的に解析業務を行っています。建設業におけるデータサイエンスの活用は今後の発展分野で、ゼネコン各社が力を入れています。佐藤工業では私ともう1名がデータサイエンティストの1期生として採用されました。私たちに求められる役割は、今まで蓄積してきた膨大なデータを活用した課題解決の提案や、データの解析などを通して会社に貢献することです。期待に添えるよう日々努力をしています。
私たちが導き出した分析結果を、
現場に役立つ価値にしていく。
私が所属するICT推進部には、ドローン、レーザースキャナーといったICT技術の導入を推進するチームと、データサイエンスのチームがあり、後者が私の所属するチームです。立ち上がったばかりのチームのため、すでに走っているプロジェクトのメンバーとして働くのではなく、課題に対して主体的に「こういう方針でできないか」「次はこう考えてはどうだろう」と、日々試行錯誤を繰り返しています。仕事の進め方は任せていただいているため、プレッシャーもありますがやりがいも大きいです。また、この試行錯誤の繰り返しが、多様な角度からデータを見る目を養ってくれており、自身の成長にも繋がっていると実感しています。今取り組んでいるテーマの一つに、施工物件の瑕疵(かし:構造物に何らかの欠陥があること)傾向分析があります。当社の過去の施工物件に係る瑕疵報告が紙データとして保存されており、それらから傾向や頻度など何か系統だった情報を引き出せないか、またその結果から改善策を導き出せないか、ということを分析しています。しかしこれには現場の知識が必要です。私は現場での経験がないので、勉強会を開いていただいたり、実際に現場に行かせてもらったりして、土木や建築について学んでいます。「意味のある分析」「現場に役立つ価値」を生み出せるよう、今は努力の日々です。
あらゆる社内ニーズに応えられる
データサイエンティストを目指す。
もう一つ、私たちが手掛けているのが、積算の効率化を目的としたシステム開発です。積算のレベルを標準化したいというニーズがあり、当社の歴史と共に積み上げてきた工事原価データを活用して、機械学習技術を用いた各工種の費用予測システムを開発しました。アプリ化も無事に終わり、今はその精度を向上させる開発に取り組んでいます。今回のように社内に蓄積されているデータを活用することで、生産性向上や品質向上に貢献できることをとても嬉しく思います。未だ活用されずに積み上がっているデータはたくさんあります。私の仕事は会社の利益に直接つながるものではありませんが、だからこそデータを見る目を磨き、導入部署の業務への理解を深め、多くの経験を積むことで困ったときにはまずは相談を持ち掛けてみよう、そう思われるような社内のデータサイエンティストの第一人者となることが目標です。また、将来的には組織のマネジメントができる人材になり、自分と同じ社内で活躍するIT人材を育て、会社の発展に貢献したいと思っています。
仕事場から自宅まで電車で1駅。その途中の車窓から見る「街の景色」が好きです。建設現場やクレーンを見ると、街が出来上がっていく様子がイメージでき、改めて自分たちの仕事の社会貢献度の高さを実感します。