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風環境予測・評価・対策システム SWEAS
風環境予測・評価・対策システム SWEAS(Sato-Kogyo Wind Environmental Assessment System)
SWEAS(Sato-Kogyo Wind Environmental Assessment System)
高層建築物の計画段階では、 建設に伴う建物周辺の風環境への配慮が要求されることが通例になっていますが、 当社ではこれに対応して、風洞実験を行わずに風環境を迅速に予測・評価し、 必要に応じて適切な対策を講じることができる、 コンピュータを用いた風環境予測・評価・対策システム「SWEAS(スウィーズ)」を開発しています。
風環境の予測手法と問題点
実務設計を対象とした場合、建物周辺の風環境の予測の方法には大きく分けて、 (1)机上予測(2)気流の数値解析(3)風洞実験の3つがあります。
この内、机上予測は、基本模型を用いた多くの風洞実験結果や建物回りの風の実測結果等から予測式を導くなどして、 建設後の建物周辺の風速の予測をするもので、即座に風環境の予測ができるため、 気流の数値解析や風洞実験の費用や期間が必要な方法に比べて、風環境の概要把握には適しています。
また、詳細な風洞実験結果をバックデータとすれば高い精度をもった予測が可能になります。
しかし、これまでにいくつかの予測式が提案されていますが、対象となる建物が限られている、 計画建物周辺の状況が予測に取り入れにくい、等の問題点がありました。
SWEASの特徴
当社では、91年に風洞実験棟を完成させ、 机上風環境予測のもとになる基礎実験データを収集できる環境を整えました。
その後、ビル風害問題に対処するため、多くの風洞実験を重ねて、データの蓄積を図り、 企画設計から実施設計までのあらゆる段階で、詳細な風環境の検討が行える今回の「SWEAS」の開発に至りました。
「SWEAS」は、各種建物形状についての系統的な風洞実験結果を整理した、 コンピュータ上のデータベースをもとにして風環境を予測するため、風洞実験と同様の予測の信頼性があります。
また、設計者自らがシミュレーションを行うことができ、その結果を即座に建築計画に取り込むことができます。
さらに、建築計画のいろいろな段階で利用することができるほか、 風環境の予測ばかりでなく、適切な強風低減対策を見出すことができるのも特徴。
そして、日本各地の気象官署の風観測データを整理した、日本各地の風向・風速データベースを有しているため、 建設地が日本中のどこであっても、計画地付近の気象官署を指定するだけで、計画地周辺の風環境の評価ができます。