異種強度を打ち分けた鉄筋コンクリート梁工法 Dicos Beam 工法
断面の上部と下部で強度が異なるコンクリートを使用する梁の設計および施工に関するものです。本工法を採用することで、現場打ちまたはハーフプレキャスト部材において、梁上部とスラブのコンクリートを同じ強度で打設可能となります。
なお、本工法は、淺沼組、奥村組、熊谷組、五洋建設、鉄建建設、矢作建設工業の6社が共同で開発し、2019年11月に日本 ERI 株式会社の構造性能評価を取得したもので、当社は2023年7月から参画しています。
3Dマイクによる音の空間情報の可視化技術 「音配図」の計測・表示ソフト『OnView』
従来の騒音計(サウンドレベルメーター)による音環境の測定では、音の到来方向やその強さを測定することはできませんでしたが、3Dマイクロホンを用いた計測システムにより、これらを測定・可視化する技術を開発しました。市販の製品を使った測定システムであるため、従来のマイクロホンアレイなどの音源可視化システムと比べて、安価で簡単に360度全方向の音源の分布を測定することが可能です。
また、3Dマイクロホンで収録したデータから、音配図を作成するソフトウェア「OnView」を開発しました。音配図とは、360度空間において一定期間内にある方向から到来する音の強さを可視化した図です。
当システムを用いることで、建設現場周辺の外部騒音や、都市環境における様々な音の発生・伝搬要因の調査を行うことが可能です。
引抜き力に対する場所打ち拡底杭の合理的な設計手法:S-HND SK-NEO(エスハンド エスケーネオ)工法
場所打ち拡底杭は、杭先端部の径を拡大することで効率的に高い支持力を得る杭基礎であり、広く普及しています。こうした拡底杭は支持力だけでなく、引抜きに対する抵抗力も大きいことが既往研究で数多く確認されていますが、構造設計では引抜き試験による性能確認等を行わない限り、拡底形状を考慮した高い引抜き抵抗力を採用することができません。
このため、大きな引抜き力が作用する拡底杭では、強固な支持層に太径の杭を深く根入れすることが求められ、不経済な設計となります。
そこで、佐藤工業株式会社、雄正工業株式会社、トーワドリル工業株式会社は、共同で実大杭の引抜き試験等を実施し、拡底杭の引抜き抵抗力の設計に関して一般財団法人ベターリビングから評定(※注)を取得する開発を行いました。
これにより、引抜き力に対して有利な拡底杭の設計が可能となります。
(※注) 同法人が中立的な立場から審査を行う技術的な評価で、主に設計法を対象としたもの
立体トラス構造(3次元立体パイプトラス)
上弦材、下弦材、斜材及び球体ノードから構成され、非常に軽量で、剛性の高い「自由曲面構造」を実現します。パイプ部材と、接合部となる球体ノードをボルトにより結合し立体トラスを構成していくため、現場溶接がなく工事期間を短縮するとともに、品質管理が容易になります。
張弦梁構造
上側に圧縮力を負担する鉄骨梁部材、下側に引張力を負担する鉄骨トラス部材を、弓型に配することによって、上弦材・下弦材が束材で一体となった安定した構造です。大スパンでも両端に大きな水平力が発生しないため、外周の柱を比較的小さな断面とすることで、大スパン無柱空間を実現します。
RC造超高層システム SHRC/Satokogyo Highrised Reinforced Concrete
SHRCの技術的な特長の一つは、材料の高強度化です。
コンクリートは、低熱ポルトランドセメントと高性能AE減水剤を使用した超高強度コンクリート。通常のコンクリート強度の3倍を超える、80N/mm2を実現しています。鉄筋にも700N/mm2の高強度鉄筋を用いています。
柱RC造・梁S造架構システム SHOPS
ショッピングセンターや物流センターなどの建物では、 機能上、一般的な建物に比べて広い柱間隔が求められます。
SHOPSは、RC造(鉄筋コンクリート造)とS造(鉄骨造)の特長をいかして、 ロングスパンの建物を実現するハイブリッド工法。圧縮に強く剛性のあるRC造の柱と、軽量で曲げに強いS造の梁を、 当社が独自に開発した接合部で一体化します。
このためロングスパンが必要なオフィスビル、学校、工場や倉庫といった建物にも有効です。
間柱型枠制震ダンパーを採用/経済的に耐震安全性を向上 制震化SHRCシステム
従来の設計では、地平時に梁や柱から構成される主架構の変形により地震力を吸収します。そのために、梁や柱は強固に設計しなければならず、断面が大きくなります。主架構のみで地震力を吸収するので現行規準では、鉄筋が降伏する等の損傷が生じます。
一方、損傷制御設計では、制震ダンパーとして強度の低い鋼材からなる交換可能な部材を主架構内に組み込み、地震力をその部材の変形により集中的に吸収し、これを効果的に行うために梁柱断面を小さくして主架構を柔らかくします。これにより地震時、従来の設計よりもひび割れが少なく、鉄筋を降伏させないような極めて損傷が少ない設計が経済的に実現できます。
建設作業所のための騒音・振動モニタリング・システム
佐藤工業は、これまで培ってきた建設工事騒音・振動対策技術をベースに、「建設作業所のための騒音・振動モニタリング・システム」を開発しました。
都市部の作業所を中心に順次導入を図ります。
風環境予測(数値解析手法)
数値解析手法はコンピュータの高性能化に伴い風環境予測手法として近年特に注目されている技術です。風洞実験などに比べて出力がわかりやすく、プレゼンテーション的に優れていることも特徴のひとつです。
風環境の実測調査
大規模な建築物が周囲に影響を及ぼす場合、単に予測をしただけではなく、建設前後の風況実測を行い予測の妥当性や実際の風環境の確認を行う場合があります。
必要に応じ、建設前・建設中・建設後それぞれの時期において地上付近の風向・風速を計測し、その結果を風環境評価指針に照らし合わせて、風環境評価を実施します。
風環境予測・評価・対策システム SWEAS
高層建築物の計画段階では、 建設に伴う建物周辺の風環境への配慮が要求されることが通例になっていますが、 当社ではこれに対応して、風洞実験を行わずに風環境を迅速に予測・評価し、 必要に応じて適切な対策を講じることができる、 コンピュータを用いた風環境予測・評価・対策システム「SWEAS(スウィーズ)」を開発しています。